ペダルが軽い・・・
地面がゆっくり離れていく・・・
自転車のカゴの中には、シワだらけの茶色いあいつ・・・
人差し指が光り、僕も人差し指を合わせる・・・
こんなファンタジーは、小5でも受け入れられない。
そもそも、僕の黄色いマウンテンバイクに、カゴは付いていない。
カゴなしの黄色いマウンテンバイクで真っ暗な田舎道をひた走る。
街頭も少なく、車は全く通らない。
その間にも、一度空が光る。
あたり一面が明るくなる・・・
問題なく、山のふもとに着いた・・・
そこには寺があり、寺の裏にある階段を登れば頂上に公園がある。
そこまで登れば、山の向こう側が見えたはず・・・
マウンテンバイクを降り、住職に気づかれないように、隠れながら寺の裏に回る。
そこには公園まで続く木製の階段。
それほど高い山ではない。
階段も多くはない。
階段を登り始めると、また空が光る。
登り始めて、少しすると、また光る。
中腹にさしかかった頃には、数十秒に一回は光るようになっている。
登れば登る程、光る間隔が狭くなっている・・・
急に怖くなってきた・・・
何とか、一歩づつ進む。
頂上に近づくにつれて、さらに光る間隔が狭くなる。
10秒に一回、5秒に一回、3秒に一回・・・
様子がおかしい・・・
尋常ではない・・・
頂上付近になると、連続して光り始める・・・
そして僕は、頂上の公園に辿り着いた・・・
第二部 〜終〜