11.15


まぶしい・・・

光の中に人影が・・・

立ち上がると2メートル近くはあるだろうか・・・

真っ裸で筋肉隆々、金髪のあいつ・・・

「服をよこせ。」と僕に言い放つ・・・

未来からやって来た・・・




現実は大した事は無い。




公園に着いた僕は、すぐに山の向こう側を確認する。

しかし、そこには何も無い。

というよりも、暗くて見えない。

遠くの方に、少しの電灯が道路に沿って続いているだけ・・・

どのくらい待っていたかは、分からない。

30分以上はその場所にいたと思う。

その間も、一度も光らない。

こうなってしまうと、どうする事も出来ない。

いや、元々何も出来なかったと思う。

結局、その日は家に帰った・・・



翌日からは、普段通りの生活。

あの日から、一度も空は光らない。

特に変わった事は無い。

嘘だったみたいに・・・

僕自身、だんだんとその事を忘れていった・・・




18歳から地元を離れて、東京に住んでいる。

僕自身、寝ぼけてたんじゃないか・・・と思う事もあった。

人間の記憶なんて曖昧だと思う・・・

でも、あの夜の事は、今でも鮮明に覚えてる。




25歳になり、地元に帰った時の事・・・

人に会う約束をしていたので、ファミレスに向かう。

車に乗って、家を出る。

家の前の道に出た時・・・

一回だけ・・・

空が光った・・・



第三部 〜完〜




信じなくても良いですが、全て実話です・・・