11.7





僕が小学5年の頃・・・


夜中に空が光ることがあった。

時間は夜の2時前後。1011月だったと思う。

一度光ると10分後にまた光り、次は5分後、その次は15分後・・・

不定期に何度も光る。

真っ暗な部屋の中が、一瞬明るくなる。

空から強めのフラッシュをたいた感じ・・・

星は出ている。雷ではない。

気になって家の前の道まで出てみる。

すると、12キロ離れた山の向こうが強く光っている。

あの山の向こうには、水田と道路しかないはず・・・




翌日、両親に相談するも「夜更かしするな」と怒られるだけ。

邪見にされ、全く取り合ってもらえない・・・


「どうして、騒ぎにならないんだ・・・

あの山の向こうには、何があるんだ・・・

こんな時に、モルダー捜査官は何やってるんだ・・・」



その夜2時、また空が光った・・・



もう、気になって眠れない。

あいつの事で頭が一杯。

いてもたってもいられない。

あたし、我慢出来ない!!!


両親に気づかれない様に愛車の黄色いマウンテンバイクに乗り、光に導かれるように、ペダルをこいだ・・・



第一部 〜終〜